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『百鬼夜行少年 アンソロジーイラスト集』短期連載

【其の二】『百鬼夜行少年』鈴木次郎先生 チラ見せ&プチインタビュー

 いよいよ来週に迫りました『百鬼夜行少年 アンソロジーイラスト集』の発売を前に、掲載作品をチラっと見せつつ、参加くださった作家さんに制作に関するお話をうかがう短期集中連載。第2回はマンガ、キャラクターデザイン、装画など、幅広い分野で活躍する鈴木次郎先生です。

 

鈴木先生には『ボーイミーツグラフ』(PIE刊)の描き下ろしを依頼した際に、凸凹コンビを描くのが好きと伺っていたので、「雨降小僧」と「日和坊」という正反対の妖怪を一枚に描いてもらいました。鳥山石燕の元絵では「雨降小僧」と「日和坊」は別々に描かれている妖怪です。

 

Q.資料としてお送りした「雨降小僧」と「日和坊」の絵を最初に見たときの印象を教えてください。

日和坊はサイズ感がわからなかったり…雨降小僧は年齢感がわからなかったりしたのでどちらも一旦忘れることにしました。元絵をリセットして、自分で調べたことを噛み砕いて、一から再構築しました。

 

Q.本書のコメントにもありますが、「日和坊」が外国から来たという設定はどうして思いついたのですか?

「日和坊」という名前から太陽、太陽から日焼け、日焼けした褐色の肌から外国人という連想をしました。昔は外国から来た人が珍しくて異端視する風潮もあったと思い、遠い異国から来た果てに妖怪になったのでは…と。なので、性格はフランクで、少年に対してもフランクに接する、そんなイメージです。

 

Q.「雨降小僧」はどうですか?

今年はすごく雨が多かったですよね。野菜が高くなって、本当に嫌だなーと思っていました(笑)。雨ってある程度降るのはいいですが、降りすぎても困る。「雨降小僧」は子どもなので、そのへんの加減がわからず、降らせすぎて人に嫌われる、そして自分からも人を避けるようになり、本当は友だちがほしいけど一人ぼっちでいる、そんなイメージが出来上がりました。

 

Q.「雨降小僧」と「日和坊」のビジュアルについては?

身近な妖怪感を出したかったのでデザインがあまりごちゃごちゃしないように気をつけました。日和坊は異国っぽさをだして、雨降小僧は一見普通なんだけど、よくみるとちょっと違和感がある感じを目指しました。あと、雨降小僧は、元絵の傘のシルエットを残しました。

 

 

Q.二人がいる構図はすぐに決まりましたか?

見開きページの依頼だったので、左右のページで変化をだそうと考え、右ページの雨降りから、左ページにいくにつれ晴れてくるという構図にしました。それと、澄んだきれいな池を入れたくて試行錯誤したのですが、上手くまとまらなかったので、二人のいる場所は水没している古寺になりました。

 

「雨降小僧・日和坊」ラフ(一部)

 

Q.ラフを頂いたときに「色はまだ仮で変わる可能性もある」とのお話でしたが、それほど変わらない印象で完成しました。色はどう決めましたか?

背景に葉とカエルを入れたいと考えたら、結局、緑系一択になりました。あとは、苔とかも入れて“おだやかな時間”を表現したかったので、それに合うのもやっぱり緑系でした。

 

「雨降小僧・日和坊」線画(一部)

 

Q.苦労した表現はありますか?

澄んだ水を、どう表現したらいいのか悩みました。Twitterでよく見かけた画像に、すごく水がきれいで澄んでいる通称「モネの池」というのがあって、ああいう感じを目指しました。

 

Q.最後に完成した雨降小僧・日和坊のイラストで、ここを見てほしい!ここがお気に入りという点はありますか?

雨降小僧の表情は結構気に入っています。あとは……カエルかな。

 

「雨降小僧・日和坊」完成画(一部)

 

鈴木先生ありがとうございました。

鈴木先生が描く「雨降小僧・日和坊」が収録されている『百鬼夜行少年 アンソロジーイラスト集』は、いよいよ来週12月20日発売です。鈴木先生をはじめ、参加頂いた執筆陣の各妖怪に対するコメントも必見です。ぜひ、手にとってご覧ください!

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