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地元を知り尽くしたデザイナーならではのアイデアとデザイン力で、
地域を活性化させる動きが高まり、盛り上がりをみせています。

そんな地域の特色を強く押し出したデザインが、
いまやクオリティの高さから都市部のクリエイティブに強く影響を与えつつ、
全国へと広がりをみせています。

そこでPIEでは、地域に根付き、活躍している日本中のデザイナーを
紹介していこうと思います。





第1回 中山 真由美(ファイン・プロジェクト)

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地域について

まず、中山さんの活躍されている富山の高岡市についてお教えいただけますか? 
 どのような街なのでしょうか?

富山県高岡市は加賀藩二代藩主、前田利長公によって開かれたまち。四百年以上続く歴史と伝統工芸の街です。国宝「瑞龍寺」をはじめ、日本三大仏の一つに数えられる「高岡大仏」、土蔵づくりの町並みや、伝統的建造物群保有地区に指定された千本格子と石畳が美しい「金屋町」などがあります。また、開町以来の鋳物技術を受け継ぐ高岡銅器や仏具製造、彫金、漆器など多彩な伝統工芸が集積し、今日ではメーカーや職人が新たなブランド化に取り組んでいます。

最近のお仕事は、どのようなものが多いでしょうか?

高岡は伝統工芸のまちです。技術力を生かした商品開発をはじめ、地場産業のブランド化のお手伝いをする機会が増えています。たとえば、仏壇・仏具メーカーの「関菊」が地元八尾のクラフトユニット「shimoo design」とコラボして製作した、現代の暮らしにフィットする仏壇「縁具」のグラフィックや、銅器の着色職人が、その技を生かしてインテリア製品の開発に取り組む事業のお手伝いなどがあります。また、2015年春に北陸新幹線が開業しますが、それを見越したお土産品のデザイン開発。県の事業「越中富山お土産プロジェクト 幸のこわけ」では、商品のセレクション、サイズ、デザインなどトータルなブランディングに携わらせていただきました。

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「縁具」仏壇よりも身近に。家具よりも厳かに。
新たな祈りのスタイルをお届けする、現代人の室礼。


最近、地域のデザインがもりあがっているように感じるのですが、
 どう思われますか? 以前となにか変わりましたか?

地場産業のブランディングに関わるようになって感じるのは、全国発信の意識が非常に高いということ。世界に目を向けている経営者も多くなっています。とくに高岡はその意欲が強いと感じています。

高岡銅器が誕生から四百年を迎えた2011年、高岡銅器協同組合13社の有志が外部デザイナーと協調してスタートした「KANAYA」ブランドは、丁寧につくり上げられる金属鋳物にデザインや機能を付加し、現代のライフスタイルにマッチしたインテリア製品を提案しました。当初から世界市場を視野に入れ、2013年1月には「メゾン・エ・オブジェ」(パリ)に出展。また、錫鋳物で有名な「能作」は「メゾン・エ・オブジェ」にこれまで3回出展し、ニューヨークや中国(広州・上海)などのイベント・展示会へ積極的に出展しています。銅器着色の「momentum factory Orii」も自社開発の製品でニューヨークの「国際現代家具見本市(ICFF)」に出展するなど、自社で独自のブランドを立ち上げて世界をめざす企業が増えています。

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いままでと同じことをやっていては立ちゆかない。だから、新しい切口の製品開発、市場開拓に取り組んで生き残りをかける。当然、こちらとしても関わり方は深くなりますね。世の中の目は、あきらかに地方へ向きはじめています。それは、「懐かしい新しさ」みたいなものを求めているのかもしれません。地方発のデザインが競い合って活性化するのは、とてもいいことだと思います。


お住まいの地域のデザインは、なにか他の地域と違いがありますか。

高岡には多彩な伝統工芸の集積があるので、デザインにもその風土は反映されているのかもしれません。同時に、その逆の「いまを打破するデザイン」も求められます。

富山県全体でみれば、3000メートル級の峰々から深海1000メートルまで高度差4000メートルに及ぶ壮大で特異な自然のなかで育まれる多様で豊かな実り、収穫。そんな生活環境や食文化もデザインを考えるうえで影響を受けますね。
また「薬の富山」といわれるように、もともと富山のデザインは薬袋や売薬さんのお土産品がルーツとされています。いまでもパッケージメーカーは多く、パッケージのデザインも盛んです。


つづく


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地域発デザインは燃えている!
進化する地域ブランド特集

かつてない盛り上がりをみせる地域発デザインが集結!

地元を知り尽くしたデザイナーならではのアイデアとデザイン力で、地域を活性化させる動きが高まり、盛り上がりをみせています。そんな地域発のデザインが、クオリティの高さから都市部のクリエイティブに強く影響を与えつつ、広がりをみせています。その地域ならではの優れた作品をデザイナーのインタビューも交えながらまとめた1冊です。
カバーデザイン:梅原真