「はじめての」シリーズ 累計発行100万部突破記念 てづかあけみインタビュー
(出典:絵本ナビより)
2006年から現在まで、国内外で愛され、シリーズ累計100万部を突破したてづかあけみさんの「はじめての」シリーズ(パイ インターナショナル)。カラフルでかわいい絵と、発見と学びの実感がたっぷり詰まったシリーズは、子どもにも大人にも大人気です。
この夏、シリーズ最新刊『はじめての どうぶつえほん』(パイ インターナショナル)を出版したてづかさんに、これまでの制作を振り返りつつ、制作姿勢の原点につながるようないろいろな経験のお話をしていただきました!(本文中で紹介する絵本はすべてパイ インターナショナル刊です)
「はじめての」きっかけになる絵本
――7月28日にシリーズ最新刊の『はじめて どうぶつえほん』が発売されました。これでシリーズは21冊になり、世界で発行部数がついに100万部突破なんてすごいですね!
ありがとうございます。シリーズ最初の『和英えじてん』を刊行したときは想像もしていなかったので、信じられない気持ちです。
――『はじめての どうぶつえほん』は、生き物が地球上のそれぞれの場所で上手に暮らすために「進化」してきたことをふまえて、幼い子にもわかりやすく、動物の特徴が紹介されていますよね。見どころはどこですか?
約120種類の動物が登場しますが、それぞれの特徴を、自分の言葉でしゃべっているように描いているのが見どころです。ワニが「ぼくは こわそうに 見えるけど、ふだんは おとなしいんだ。何ヶ月も ごはんが なくても だいじょうぶ」と言ったり、ナマケモノが「ぼくは、とても ゆっくりとしか うごきません」など(笑)。
「はじめての」なので、ひとつずつくらいしか特徴は言えないんですけど、なるべく内容にあったポーズに近づけるよう、心がけて絵を描きました。
監修の新宅広二先生にそれぞれの動物の特徴を「動物本人がおしゃべりしているように書いていただけませんか?」とリクエストしたら、新宅先生がそういうふうに書いてくださって。原稿を読むのがすごく楽しくて、声に出して読みながら描きました。みなさんにも声に出して読んでもらえたらうれしいです。
――口語体なので、子どもも読みやすいですね。「はじめての」シリーズはイラストもかわいいし、情報も頭に入りやすいちょうどいい量で、子どもから大人まで楽しめるのが素敵です。
情報は「多すぎず少なすぎず」の調整が難しいですが、もともと自分が、長い文章を読むのが苦手なので、なるべく頭に入りやすい分量を心がけています。『はじめての どうぶつえほん』の文章は専門家の新宅先生にお願いしましたが、全体の流れは先生の原稿をいただいたあと、編集者さんと相談しながら自分で決めました。情報整理をしながら、構成を考えていくのが好きです。いろんな方向から物事を見たいという気持ちが、根底にあります。
シリーズ1冊目『和英えじてん』は絵がメインの楽しい辞典
――「はじめての」シリーズの1冊目は、2006年刊行の『和英えじてん』。翌年に『英和えじてん』が発売されました。
以前NHKのラジオ英語のテキストに、イラストのカットを描く仕事を連載でしていた経験が役に立ちました。短い例文にあわせた絵を、1点1点小さなスペースに描くのが難しかった覚えがあります。
――確かに、限られたスペースに描くのは難しそうですね。
フリーランスのイラストレーターとして活動をはじめたのが1998年頃。その前はデザイン事務所に勤めていて、デザインを発注する側でした。発注側の苦労も知っているので、仕事だからこそ臨機応変にやりたいし、なるべくいつも発注されやすい人でいたいと、当時も今も思っています。
パイ インターナショナル(当時のピエ・ブックス)とは仕事で間接的にお付き合いがあったのですが、『和英えじてん』のお話をいただいたときは、1冊丸ごと描けるか不安もありましたが「記念になるし、ラッキー!」という気持ちで引き受けました。
――本を1冊描き終えて、いかがでしたか。
すごくたくさんのイラストを描くことになって大変でしたけど、終わってみたら……本の形で手元に残る魅力を感じました。そして『和英えじてん』を出したら、やっぱり次は『英和えじてん』も出さなきゃね、と言われて「わかりました!」となりました(笑)。
――次に『はじめての にほんちずえほん』と『はじめての せかいちずえほん』が同時発売されますね。
出版のお話を続けてオファーいただけたのはとても嬉しかったです。ただ、それこそはじめての作業ばかりで、いただいた原稿を元に1冊、1冊を終わらせるのに必死でした。こんなに長く、いつの間にか、定番として扱っていただけるようになるとは夢にも思っていませんでした。
続きは絵本ナビの記事にてお楽しみ下さい。
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