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地元を知り尽くしたデザイナーならではのアイデアとデザイン力で、
地域を活性化させる動きが高まり、盛り上がりをみせています。

そんな地域の特色を強く押し出したデザインが、
いまやクオリティの高さから都市部のクリエイティブに強く影響を与えつつ、
全国へと広がりをみせています。

そこでPIEでは、地域に根付き、活躍している日本中のデザイナーを
紹介していこうと思います。





第2回 中山 真由美(ファイン・プロジェクト)後編

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デザインについて

デザイナーになろうと思ったきっかけを教えてください。

ひとりっ子のせいでしょうか、一人遊びが得意で、物心ついたころから絵を描いたり、粘土細工をしたりすることが大好きでした。いちばん最初は漫画家になりたいと思っていたんです。「りぼん」とかを読んでいて、一条ゆかり先生に憧れていたからですかね。デザイナーになったのはその延長でしょうか。


なにか影響を受けたもの、人などいらっしゃいますか。

幼い頃から、映画好きの父の影響で、国内外を問わず数々の名作を観せてもらったことで、映画のタイトルロゴなどに関心を持ったこと。小学生のとき、両親に連れられて行った大阪万博。生まれてはじめて見た各パビリオンの先進的で未来的な美しいデザインの数々に衝撃を受けたこと。
デザイン科生だった高校時代にみた横尾忠則さんや田中一光さんのポスター。音楽や雑誌、映画をはじめとする当時(80年代)のサブカルチャー。ある意味、それらが私の原点。中でも、いちばん影響を受けた人が横尾忠則さんです。蛇足ですが、後年、横尾さんがポスターを手がけられた大覚寺の「嵯峨御流いけばな」を習うことになったんです。不思議な縁を感じますね。
あと絶対にはずせないのが、地元の富山県立近代美術館ではじめてみた「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」。世界各国の優れた作品群を目にした時の衝撃は、今も心に焼きついています。言葉がわからなくても伝わるビジュアルメッセージ。デザインのすばらしさを改めて知りました。
また、住んでいるまち(高岡市伏木)の看板や販売している商品などをみるにつけ、私ならこうするとか、もっとカッコよくできる!なんて、何もできないクセに(笑)住んでるまちがステキになるように…勝手な妄想をしてました。思えばそんなことも影響しているかもしれません。

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自宅から車で3分、富山湾越しに3,000メートル級の
立山連峰をのぞむ「国定公園 雨晴海岸」。写真提供:高岡市)

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自宅から車で10分、「二上山」。万葉の歌人、「大伴家持」が
「二上山」を題材にした歌を詠んでいる。写真提供:高岡市)

デザインに対するこだわりや、もっとも大切にしていることを教えてください。

デザインはクライアントの課題解決はもちろん、人の暮らしを豊かにする、人の心を幸せにするためにあると思います。ビジネス的にも社会的にもきちんと機能するものでなければなりません。商品や企業の価値を高める、付加価値をもたらす、そして利益に貢献する。お客さまの投資に最大限応えることが、まず私たちのミッションです。そのうえで、その向こう側にいるお客さまを、そして人を笑顔にすること、感動してもらうこと、幸せになることに結びつくデザインを心がけています。
実際の制作では、与えられたテーマ、商品の機能や伝えたいことの結晶化。料理でいうところの「素材そのもののいちばんおいしいところを生かす」デザインを大切にしています。


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「寒中樽仕込 かぶら寿し」
CD, AD, D:中山真由美
C:藤原武幸
CAL(カリグラファー):黒田昌吾
ADV:樽蔵産業
PRD:ファイン・プロジェクト



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「高岡の地酒シリーズ」
CD, AD, D:中山真由美
D:鎌 智晴
C:藤原武幸
CAL(カリグラファー):黒田昌吾
ADV:富岡屋 / 中田貴雄
PRD:ファイン・プロジェクト



地域デザインとはこうあるべきだというポイントがあれば教えてください。
 また、同じく地域でデザイナーとしてやっていくコツはなんだと思われますか?

「その土地ならではものに光をあて、磨きあげること」じゃないかと思います。また、いろんな見方をすること。同じものでも、ちがう角度から光をあてると、足元にも宝が輝くかもしれません。それとやはり、地域を心から愛すること、地域が良くなっていくよう願う気持ちですね。
デザイナーとしてのコツというより、地域でともに生きる仲間として当たり前ですが、感謝の心で、人と人のつながりを大切にすることがいちばんだと思います。相手の心に寄り添って、夢やビジョンを共有しながら信頼関係を築いていく中で、地域の人、企業、まちを元気にすることではないでしょうか。


今後について

今後やってみたいことなど教えてください

食品などの商品開発から、パッケージ、デザイン、販促活動、いずれは流通面までトータルにお役に立てる仕事がしたいです。最初から最後まで、その仕組みそのものをデザインする仕事をこれからめざしたい。
可能なら自社で商品プロデュースをし、デザインしたものを自社のお店で販売する。そこまでできればうれしいですね。「もの」からはじまり、「こと」のデザインにも挑戦してみたいです。地域が活性化する仕組みづくりにも関わりたいと思っています。
また、デザインの大切さ、すばらしさを、これからの地域の未来を担う子どもたちに伝えていきたいとも思っています。欲張りなんですよ。


各地で頑張っている若手デザイナーさんに一言お願いします

地域を愛する気持ち。人に対する思いやりの心やご縁を大切にすること。仕事をさせていただいているという感謝の気持ちを忘れないこと。人として基本的なことですが、デザイナーこそそんな「心」と「人間力」が問われるのだと思います。私も心して、日々精進していきたいと思います。


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「縁具」
CD, AD, D:中山真由美
D鎌 智晴 / 石塚すずよ
C下尾和彦(Shimoo Design)/ 藤原武幸
P室澤敏晴 / 織田博史
PD熊倉桂三  ADV関菊
PRDファイン・プロジェクト



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「orii」
CD, AD, D:中山真由美
D鎌 智晴 / 石塚すずよ
C: 藤原武幸
P:室澤敏晴 / 谷中健一
ADVモメンタムファクトリー・Orii
PRDファイン・プロジェクト




語り
FINE PROJECT INC.
中山 真由美
http://www.fine-pro.com




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地域発デザインは燃えている!
進化する地域ブランド特集

かつてない盛り上がりをみせる地域発デザインが集結!

地元を知り尽くしたデザイナーならではのアイデアとデザイン力で、地域を活性化させる動きが高まり、盛り上がりをみせています。そんな地域発のデザインが、クオリティの高さから都市部のクリエイティブに強く影響を与えつつ、広がりをみせています。その地域ならではの優れた作品をデザイナーのインタビューも交えながらまとめた1冊です。
カバーデザイン:梅原真