絵本にはのせきれなかった「カレー地獄」の楽しいこぼれ話を、作者のひげラク商店さんに教えていただきました!
鬼たちはどんな暮らしをしているの?
鬼たちの朝は早く、4時に起きてツノと金棒の手入れから始まります。怖〜いえんま様に怒られないように、厳しいご指導のもと一生懸命働いています。休憩時間もきちんと定められ、なまけることはままなりません。みちひとくんのような悪い子が来れば「おしおきマニュアル」で決められた刑罰を与え、空き時間にはカレーの下準備をしたり火をおこしたり、1分1秒を無駄にしない暮らしを送っています。時間に縛られるストレスによって、鬼たちの「怖い顔」にどんどん磨きがかかり、地獄に来た子たちを恐怖におとしいれているのです。そんな鬼たちも、休日になれば商店街などに繰り出し、えんま様の顔が描かれたメンコで遊んだり、オニぎりを食べたりして、楽しく過ごしていますよ。
らっきょうの神様ってどんな人?
らっきょうの神様は、人生の「酸いも甘いも」を教えてくれる「はし休め」の神様。ふだんは壺の中にお住まいです。辛いものを食べ過ぎたり、つらいことが続いたときにひょっこり現れ、ホッとするひとときをもたらしてくれます。働きすぎたり、怒られっぱなしで元気をなくした人にも、紅ショウガの杖で体に滋養を与えて、気持ちを明るく楽に導いてくださるんですよ。
「カレー地獄商店街」の人気No.1商品は?
売れ行きナンバーワンは「えんまんじゅう」。まんじゅうを割るとおみくじが入っていて、「無罪」「ママに怒られる」「地獄行き」と、食べる人の生き様に応じた結果が出ます。えんまんじゅうを片手に握って印籠のようにかざすと、怖〜いえんま様の顔の力で人々がひれ伏してくれるのも、このお土産の面白さです。ご自身のこれまでの人生をさばいてくれるえんまんじゅうを、ぜひ一度ご賞味ください。
カレーに吸い込まれなくても、カレー地獄へ行く方法ってあるの?

地下鉄で30分北に向かい、東へバスに乗って30分、飛行機に乗り西に向かって1時間半、そこから船に乗って30〜60分で着きますよ。
作者の私は昔、レストランのカレー食べ放題に通っていたことがありました。よく満腹で立ち上がれずに寝てしまい、カレーの海の夢にうなされていたものです。スパイスのイナズマがバチリバチリと落ちる中、ジャガイモにつかまり、荒れ狂うカレーの海をザブンザブンとなすすべもなく流されるのは、まさに「地獄」の気分でした。目が覚めて「もうカレーなんて見たくない」と思いながら、1週間も経つとまた食べてしまうのがカレーの魔力。みなさんも節度を守らないと、「カレー地獄」に連れていかれてしまうかもしれませんのでご注意ください。