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    【サウナ豆知識】初めての人でもわかる!サウナ用語集 〜『いつか行ってみたい 世界の絶景温泉&癒しのサウナ』コラムより

    知らず知らずのうちに、考えることや時間に追われる現代⼈にとって、思考を完全にストップし、解放される瞬間は少ない。いま、銭湯やスパ、サウナブームが巻き起こっているのも、わたしたちが本能的に「精神の解放」や「癒し」を求めているからではないでしょうか?

    『いつか行ってみたい 世界の絶景温泉&癒しのサウナ』では、⼼⾝の「ととのい」を求める現代⼈が思わず唸る、お⾵呂への情熱溢れる驚きの癒し空間を、世界中から紹介。温泉とサウナの歴史や世界のユニークなお風呂文化を特集するコラムの一部を公開します。

     

    ロウリュ löyly(フィンランド語)

    サウナストーブ上に積んだ熱した石(サウナストーン)に水またはアロマ水をかけて、蒸気を発生させることを意味します。

    ロウリュで発生した熱い蒸気により、サウナ室内の湿度が上がることで体感温度も上がり、よりいっそう発汗しやすくなります。エッセンシャルオイルなどを使用したアロマ水をかけた場合、香りが蒸気と共に広がります。通常は、水をはったバケツから柄杓で水を汲んでサウナストーンにかけます。フィンランドでは「ロウリュにはサウナの魂あり」と言われているほど、ロウリュはサウナにおいて身体的な面と精神的な面で非常に重要なエッセンスです。

     

    豆知識:

    日本のサウナでは施設スタッフによるロウリュをサービスとして提供しているところや、機械制御によって自動的に水が出てロウリュが行われる(=オートロウリュ)ところが多いですが、入浴者が自分でロウリュをしても良いとしている施設もあり、そのことを「セルフロウリュ」と呼びます。

     

     

    アウフグース aufguss(ドイツ語)

    ドイツ語で「注入」を意味するアウフグースは、ドイツ発祥のサウナ室で行われるサービスで、ロウリュをして発生した蒸気をタオルなどを使って拡散させて、入浴者に熱い風を送ることを言います。日本では「熱波」と呼ばれることもあります。アウフグースを行うことにより、より体感温度が上がり発汗が促されるほか、ロウリュをしただけでは蒸気が届かない場所に座っている入浴者へもしっかりと効率的に熱い風を送ることができます。通常は専門のスタッフが行い、アウフグースの知識と技術を持ったプロのことをヨーロッパでは「サウナマスター」や「アウフグースマスター」と呼び、日本では「熱波師」や「アウフギーサー」などと呼びます。

     

    豆知識:

    近年では、この通常のアウフグースに音や香りやストーリーなどの演出でエンターテインメント性を加えた「ショー・アウフグース」というジャンルがヨーロッパを中心に人気を呼んでいます。

     

     

    ヴィヒタ vihta(フィンランド語)

    白樺などの若木の枝葉を束ねたもので、サウナの中で香りを楽しみつつ、身体を叩いて血行や新陳代謝を促進します。フィンランドでは「ヴィヒタ」もしくは「ヴァスタ」と呼びます。ロシアやバルト三国などフィンランド以外でも使用されており、それぞれ呼び名が異なるため、一般的には英語で「ウィスク」と呼ばれています。

    フィンランドでは「ヴィヒタ抜きのサウナは塩抜きの料理」と言われているほどサウナにおいては必需品なので、たいていのサウナ施設で売られており、スーパーなどでも入手可能。

     

    豆知識:

    若葉が出始める初夏に摘み取って作られたヴィヒタは、その後のシーズンでも使えるように乾燥させてドライヴィヒタにして保存します。ドライヴィヒタを使用する際は、ぬるま湯をはったバケツや桶の中に浸して柔らかく戻してから使用します。

     

     

    ウィスキング whisking(英語)

    サウナ室でプロの施術者によりウィスクなどの植物や天然由来のものだけを使用し、心身をととのえる施術のことを言います。主にバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)で伝統的に行われています。

    フィンランドでは入浴者自らがヴィヒタで自身の身体を叩いたり、家族や友人など一緒にいる人同士で互いに叩き合うのに対して、バルト式は専門知識と技術を持ったプロの施術者が入浴者に対して(主に一対一で)行います。

    ウィスクを使って身体を叩いたりなでたり押し当てたりするほかにも、ハーブや塩やはちみつといった自然のものを使ったマッサージやトリートメントも施術に含まれます。

     

    豆知識:

    ウィスキングを行う施術者のことを「ウィスキングマイスター」と呼び、サウナについてはもちろん、植物や身体についても専門的な知識が求められるため、ラトビアでは国家資格となっています。

     

     

    文:大智由実子 

    監修:公益社団法人日本サウナ・スパ協会

     

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