「〇〇ません。」シリーズの最新作発売!〜『とびません。』大塚健太さん×柴田ケイコさんインタビュー〜
動物たちのユニークな生態をユーモアたっぷりに描いた絵本「〇〇ません。」シリーズの最新作『とびません。』が、10月18日発売となりました! 前作『うごきません。』ではハシビロコウ、『なまけていません。』ではナマケモノが主人公でしたが、最新作ではペンギンが登場! ペンギンが空を飛ばない理由が描かれています。今回、「〇〇ません。」シリーズのお話を手がける大塚健太さんと、絵を手がける柴田ケイコさんに『とびません。』についてお話を伺いました!
「とべない」ではなく「とばない」ペンギン
――『とびません。』のお話が生まれたきっかけはなんですか?また今回なぜペンギンを選ばれたのでしょう?
大塚:『うごきません。』や『なまけていません。』で「動物」+「〇〇ません。」というのを考えていたときに、ペンギンを主人公にしたアイデアは割と早い段階で頭に浮かんでいましたが、ハシビロコウや、ナマケモノに「どうぞどうぞ」と先を譲った感じになりました。動物園で人気の動物の代表格としての余裕ですかね(笑)。ですので、満を持してペンギンの登場! という感じです。
最初のアイデアの段階では『とべません。』というタイトルでした。そのあと編集者さんの助言もあって、『とびません。』に書きかえました。考えてみると『とびません。』のほうが、展開もしっくりくるし、書きたいテーマともあっていました。「とべない」んじゃなくて「とばない」という……どういうことなのか、絵本でぜひ確認してみてください。
――柴田さんは、最初に『とびません。』のお話を読んだとき、どのように感じましたか?
柴田:毎回、このシリーズは主人公にはセリフが出てこないのに、主人公の個性や特性が見えてきてとても面白いなぁと思いました。他のキャラクターもとても可愛らしく、今回はラストのダチョウさんが個人的には大好きです。
マイペースで少しお間抜け、けれどもかっこ良い部分も見せる
――「〇〇ません。」シリーズは3作目となりますね。子どもはもちろん、大人のファンも多いシリーズですが、お話のアイデアはどんなときに生まれることが多いですか?
大塚:たとえば動物園に行ったときに、「この動物はいまどんなことを考えているのかな?」とか想像しながら動物たちの様子を眺めたりしています。もちろんどんなことを考えているかなんてわからないのだけれど、「こんなことを考えていたら面白いな」とか「実はこう思っているかもしれない」とか勝手に想像しているとお話のタネが見つかったりします。動物たちはよく観察していると、いろんな表情やしぐさをしていて、とても可愛くて面白いです。
――『とびません。』のお話を読んで、すぐにキャラクターや風景が思い浮かびましたか?
柴田:はい、今回もマイペースでお間抜けなところも少し、けれどもかっこ良い部分も見せる主人公だと感じました。今回、飼育されている空間というのもあり、そこを描く際にどこまで見せるか少し悩みました。
――動物たちを描くときに、実際に動物園を訪問して描かれますか?
柴田:はい、以前行ったことのある水族館の中で特に参考にしたのは、東京の「サンシャイン水族館」と高知の「桂浜水族館」のペンギンたちです。
――初めて柴田さんの『とびません。』の原画をご覧になられて、いかがでしたか?
大塚:すでにいくつかの作品でご一緒させていただいていますが、毎回、想像を超える絵が上がってくるのでいつも楽しみにしています。動物たちやキャラクターの表情が絶妙で、すごく面白くて生き生きしていますよね。私が書いたおはなしの世界を、さらに広げてくれて、面白くしてくれてとてもうれしいです。読者のみなさんも思っているように、私もいつも「もう〜柴田さん最高^_^」って思っています。
お気に入りの場面について
――『とびません。』のお気に入りの場面について教えてください。
大塚:どの場面も大好きですが、あえてあげるとすればダチョウがペンギンを背中に乗せて走る場面と、その次の一連の場面ですね。ふたりとも何とも言えない顔つきをしていて、いろんな感情が入り混じっている感じがとても面白いなと思います。
柴田:ペンギンくんが飛び込んで空を飛んでいるように泳いでいるシーンと、ラストの1枚です。
――最後に読者の皆さんへメッセージをお願いいたします!
大塚:「〇〇ません。」シリーズ(笑)、第3弾はみんな大好きペンギンです。ぜったい損はさせ「ません。」!!
柴田:今回はペンギンの「ません。」シリーズですが、またもや個性的な主人公となっております。ペンギンくんはとぶの? とばないの? そのじれったい部分の楽しさも、この絵本で楽しんでいただきたいと思います。