『フライパンひとつで 毎日、家フレンチ』発売記念「鶏もも肉の軽い煮込み」レシピ公開

『パリ在住料理家のシンプルレシピ フライパンひとつで 毎日、家フレンチ』の発売を記念して、本書の中から「鶏もも肉の軽い煮込み」のレシピを公開します。
鶏もも肉の軽い煮込み
「焼き色」のおいしさをより実感できる煮込み料理です。鶏肉を焼くことで香ばしい香りとうま味が生まれ、それが煮込んでいるあいだに煮汁に溶け出すことで、調味料の代わりになります。鶏肉、玉ねぎ、塩。3つの材料だけで作ったとは思えない、驚きのおいしさに出合えますよ。
材料 2人分
鶏もも肉 ………………………………………… 400g
塩(肉用)… 2g(小さじ1/4 強:肉の重さの0.5%)
玉ねぎ ……………………………… 1/2 個(100g )
植物油 …………………………………………… 適量
水 ……………………………………………… 150ml
塩(調味用) ……………………………… 小さじ1/8
●肉の量は400g 以上でも構いません。肉の重さに合わせて塩の量を調整しましょう。たとえば、500gの場合は、塩2.5g(肉の重さの0.5%)で下味をつけます。600g程度までなら、そのほかの材料は上記の分量で作れます。
作り方
〈切る・下味をつける〉
1. 鶏肉の軟骨や余分な皮を取り除き、焼き縮み防止に切れ目を入れる。1枚を2等分に切る。
2. 鶏肉の身側に塩(肉用)をふり、 10分おいておく。
- ●10分おいておくことで塩が肉にしみ込みフライパンに落ちなくなるので、煮汁がほどよい塩加減になります。皮からは塩がしみ込みにくいので、身のみに塩をふりましょう。
3. 玉ねぎを1cm 角に切る。
〈焼く〉
4. フライパンに油を熱し、鶏肉の皮面から焼き始める。最初は強中火で焼き始め、軽く煙が出始めたら弱中火にする。5~6分焼いて、香ばしい焼き色をつける。
- ●5~6分焼いても皮面に焼き色がついていない場合は、そのまま焼き色がつくまで焼き続けましょう。時間よりも焼き色の具合を優先します。
- ●焼き色が薄いとあっさりとした味わいに、焼き色が濃いと香ばしさが増して、ごはんにもよく合うしっかりめの味になります。
5. ひっくり返して2~3分焼き、反対側にも香ばしい焼き色をつける。
6. 火を止めて鶏肉を皿に移す。この時点では完全に火は通っていなくても構わない。
〈煮汁を作る〉
7. 同じフライパンに玉ねぎを入れ、必要なら植物油を追加する。
- ●鶏肉を焼いたときに出た脂が多すぎる場合は、キッチンペーパーでふき取って量を調整しましょう。フライパンに残った茶色い肉汁のお焦げはうま味のもとになるので、ふき取らないようにします。
8. 玉ねぎが薄い茶色になるくらいまで、弱中火で3~4分炒める。
9. 鶏肉とにじみ出た肉汁をフライパンに加える。
10. 水150ml と塩小さじ1/8を加えて沸騰させる。
〈煮る〉
11. ふたをして弱火にし、軽い沸騰状態を保ち20分ほど煮込む。
●煮込んでいるあいだに水分がなくなってしまった場合は、適宜水を足して煮込みましょう。
〈仕上げる〉
12. ソースが2皿分の量(約100ml、写真参照)になったら火を止める。味を見て、必要なら塩(分量外)を加えて調整する。
●水分が多すぎるとうま味が薄くなるので、ふたを取り煮詰めましょう。
【家フレンチって、 こんなにシンプル!】
- 1. フライパンひとつで作れる
2. 身近な材料で作れる
3. 焼くだけでおいしくなる
4. 毎日でも食べ飽きない
5. 2~5ステップでわかりやすい
6. 同じ調理パターンで応用力が身につく
Emojoie’s message
フランス料理店で修業した経験から、フレンチは手の込んだ料理だと思っていました。
しかし、実際にフランスに住んでみると、その認識は大きく覆されました。
フランスの家庭で日常的に作られている料理は、素材も調理法も見た目も、驚くほど実直でシンプルなものだったのです。
この本では、15年のフランス生活で自然と身についたフランスの家庭料理を紹介します。
いずれも、僕が実際に毎日の食事で作っているレシピを
1章:軽い煮込み料理・焼き料理
2章:パスタ・リゾット
3章:ヴルーテ・サラダという3つの章に分けて、日本でも作りやすいようにまとめました。
みなさんもぜひ、試してみてください。――えもじょわ