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    世界35ヵ国で愛される絵本『おむつのなか、みせてみせて!』の魅力とは

    子どもたちのトイレトレーニングを手助けする絵本として愛されてきた『おむつのなか、みせてみせて!』。35ヵ国で翻訳、全世界累計部数は185万部を超え、世界中の親子に支持されています。人気の秘訣について、著者ヒド・ファン・ヘネヒテンさんの編集担当を務めるClavis社のSigrid Werckさんにお話を伺いました。

     

    世界のトイトレ事情について

    ―日本では 『おむつのなか、みせてみせて!』で、トイレトレーニングを進めている(進めた)子どもたちがたくさんいます。ベルギーや世界のこどもたちの絵本の活用事情について、教えていただけますか?

    はい、『おむつのなか、みせてみせて!』(原書オランダ語版タイトル:Mag ik eens in je luier kijken?)は、ベルギーをはじめとする数々の国でも、見事に保護者と子どもたちを支えてきました。トイレトレーニングは2歳半前後の子どもたちにとって大きな節目ですが、親にも子にもプレッシャーやストレスが伴いがちです。この本は、そのプレッシャーを遊びに変えてくれます。

    ベルギーでは、このみんなのおむつの中をチェックする知りたがりやのねずみくんのお話が広く愛されています。温かくユーモラスに、そして時にいたずらっぽさを交えながら、ねずみくんは準備ができたらトイレを使うよう子どもたちに促します。

    ヨーロッパ各地やその他の地域で、本書は単にお話としてだけでなく、子どもたちがこの重要なステップを乗り越えられるように優しく励ますツールとして家庭で活用されています。本書によって大変なプロセスが笑いと学びを分かち合う瞬間に変わり、関わるすべての人にとってトイレトレーニングがより前向きで達成感のある体験となるのです。

     

    ―「おむつのなか、みせてみせて!」が誕生した国ベルギーでは、2歳半くらいから幼稚園の最年少組に入学できて、おむつを卒業しているかどうかが入園の条件となるそうですね。日本では保育園や幼稚園の先生の力を借りることができるので、家庭でおむつを卒業させるのは相当な努力が必要になりそうです。具体的に何歳頃から、どのようにトイレトレーニングを始めるのでしょうか。

    おっしゃる通り、ベルギーの状況は実に独特です。子どもたちは2歳半から幼稚園(最年少クラス)に通い始めることができますが、それはトイレトレーニングが完了している場合に限られます。つまり、トイレトレーニングの責任は、ほぼ完全に保護者にあります。学校側からは通常、入園前に子どもたちがおむつを卒業していることを期待されるからです。

    当然ながらこれは家族にとって大きなプレッシャーとなります。期間が限られることが多いなかで、子どもたちにこれほど重要なスキルを教えるのは困難です。だからこそ、『おむつのなか、みせてみせて!』のような絵本がこれほどまでに価値を持つのです。そして正直なところ、ねずみくんよりも魅力的でかわいらしいライフコーチが他にいるかしら、とも思います。ねずみくんはユーモアと好奇心、そしてとても自然なアプローチで、トイレトレーニングの道のりを親と子の双方が楽しく感じながら達成できるものにしてくれます。

    ©︎Clavis

     

    ねずみくんという存在

    ―日本でも「ねずみくん」という愛称で、たくさんの子どもたちから愛されています。世界中で「ねずみくんは愛されているな」と感じるエピソードはありますか?(スペインでねずみくんのぬいぐるみが作られているそうですね)

    ねずみくんは世界中の親子の心を捉えています。『おむつのなか、みせてみせて!』の著者でありイラストレーターであるヒド・ファン・ヘネヒテン氏には、保護者から心のこもった感謝のメッセージがよく届きます。親御さんの多くが、ねずみくんに励まされ、そのおかげでトイレトレーニングがたちまち楽しくなりうまくいったと語っています。数々の家庭で、ねずみくんは信頼できる友だちであり助っ人である存在となっているのです。

    スペインでは、『おむつのなか、みせてみせて!(スペイン語版タイトル:¿Puedo mirar en tu pañal?)』がトイレトレーニング中にお子さんのお気に入りの寝かしつけ絵本になった経緯や、お子さんが誇らしげに「¡Yo también quiero ser como el Ratón!(わたしもねずみくんみたいになりたい!)」と宣言した様子を共有してくださった親御さんがいました。

    フランスでは『おむつのなか、みせてみせて!(フランス語版タイトル:Qu’y a-t-il dans ta couche ?)』が小児科医や保育施設の推薦を受けることがよくあり、たくさんの家族がトイレトレーニングのプレッシャーを和らげてもらったと語っています。息子が保育園に本書を持ち込み、友だちに「教える」ために使ったというエピソードを共有してくださったお母さんもいました。

    ブラジルでは、『おむつのなか、みせてみせて!(ポルトガル語版タイトル:O que há na sua fralda?)』が子育て世帯の間で定番となりつつあります。親御さんたちはよく、この本のユーモアとストレートな表現が子どもたちに即座に響いたとおっしゃいます。

    イタリアでは、『おむつのなか、みせてみせて!(イタリア語版タイトル:Posso guardare nel tuo pannolino?)』がネズミを真の小さなヒーローにしました。著者のヒドさんに、「ステッカー、歌、ごほうびといったあらゆることを試しましたが、娘がねずみくんに出会うまで何も効果がありませんでした。今では娘はどこに行くにもこの本を持ち歩いています!」と手紙で伝えてくださったイタリア人の親御さんもいました。

    ©︎Clavis

     

    ―Sigrid Werckさんにとって、ねずみくんはどんな子だと思いますか?どんな存在ですか?

    ねずみくんは私にとって非常に重要なキャラクターです。彼は実際に幼い子どもたちの言葉で話します。そして、私にとって正真正銘のヒーローでもあります。子どもたちを深く尊重し、自分が決して小さく無力ではなく常に大きく力強いということを子どもたちに感じさせてくれる存在です。

    ねずみくんはお友だちよりほんの少しだけ先を行き、その立場から幼少期の大事な時にお友だちを優しく導きます。ちょうど良い後押しをし、いつも温かく遊び心にあふれ、そして常に敬意を払っています。そこにプレッシャーは一切なく、前向きな励ましだけがあります。

    ねずみくんへの私の感謝は計り知れません。それは本書の驚異的な成功だけが理由ではなく、彼が世界中の幼い子どもたちの心を動かし、支え続けているからです。この事実こそが私にとって最高のごほうびです。

     

     

    ―ぬいぐるみのほかに「ねずみくん」のパズルやシール、カレンダーなどたくさんのグッズが発売されているのですね。特にどのグッズが人気がありますか?

    私たちの国ではカレンダーが一番人気で、フランスやイタリアなどの国々でも販売されています。

    ©︎Clavis

     

     

    まとめ

    ―『おむつのなか、みせてみせて!』がついに日本で50万部となります。これまで読んでくれた読者と、これから手に取ってくれる読者へメッセージをお願いします。

    日本のすばらしい保護者のみなさまとお子さまたちへ:
    ねずみくんと『おむつのなか、みせてみせて!』をみなさまのお宅と心の中に温かく迎えてくださり、ほんとうにありがとうございます。50万部達成は驚くべき節目であり、それはひとえにみなさまの愛情と信頼のおかげです。

    トイレトレーニングに挑戦しようとしている日本のお子さまたちへ:
    どんな時も自分自身を信じてください。自分で思っている以上に、みなさんにはできることがたくさんあります! そしてねずみくんがそばにいれば、優しくおもしろく、いつだって応援してくれます。まさに理想的な最高のコーチになってくれますよ。

    最後に、私とねずみくんから、みなさまに重ねて御礼申し上げます!

     

    写真提供:Clavis
    インタビュー翻訳:大浜千尋

     

     

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