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    【第5回】寝室をDIYでリノベーションする

    【第5回】寝室をDIYでリノベーションする

    落ち着いた和モダンのベッドルームにしたい

    6畳の子ども部屋の続きの間として使ってきた8畳を、夫婦の寝室としてリノベーションする。ここは、砂壁と障子、襖の和室仕様ながら、床だけが入居前からフローリングにリフォームされていた。暮らしはじめて9年間、ずっと布団を敷いて寝ていたのだが、この和と洋どっちつかずな感じが、部屋の印象と使い方を中途半端なものにしていた。

    6畳との境界の襖は建て付けが悪くなっていたため、思いきって壁を作り、2部屋を切り離すことにした。それによって以前は部屋の四方が建具だったのが、壁が一面できる。そこをヘッドボードがわりにして、ベッドを2台置きたい。

    押し入れにしまえば部屋を広く使える布団はそれなりに便利だったけれど、これからのライフスタイルを考えると、ここを寝室以外の用途で使うことはないだろう。

    ベッドを置く前提で、わたしがこの部屋の完成形としてイメージしたのは、古民家を改装したようなモダンな旅館の客室だった。壁は白、木部を濃茶にすれば、新しく購入したレトロな照明にも似合いそう。

    この部屋のリノベーションの具体的な作業は、フローリング材の張り替え、木部の塗装や壁の左官、北側出入り口の襖を片引きにして半分を壁にすること、またカーテンで目隠ししていた収納(中は布団やわたしの服)に引き戸を取り付けること。

    子ども部屋のベースを大工の忍田さんが作ってくれる経過を見ながら、リノベーションの流れはだいたい把握できたので、つみき設計施工社さんにサポートしていただきながら床貼りと塗装はDIYで行い、引き戸の製作や壁の設置については、主な工程をつみきさんが引き受けてくれることになった。

     

    • フローリング貼りは緻密な作業の連続

    まずは床貼りから。最初に、忍田さんが丸ノコで切れ目を入れてくれた古いフローリングを、バールでバリバリとはがす。はがした木材は袋に入れて運び出し、根太に残った古い釘を抜き、表面のささくれをなめらかにして、根太にビスを打ち増しする。ここまで終えたとき、以前からフローリングで数カ所、踏むと「キュッキュッ」と音鳴りするところがあったのが解消された。

    下地が整ったら、いよいよフローリング材を貼っていく。フローリング貼りは、最初と最後の一列を貼るのが一番時間がかかる。どんな壁もまっすぐということはまずなく、多少ゆがみがあるため、そのラインに板を沿わせるのが難しいのだ。

    墨壺という道具を使って根太に印をつけ、角材を仮打ちして基準線にしながら一列目を貼る。板の継ぎ目がちょうど根太の上に来るように貼るパターンを決め(割り付けという)、板一枚あたりのカット寸法を算出するところまでは、つみきさんがやってくれた。わたしはその寸法に合わせて板を計測し、鉛筆で線を引き(墨付けという)、カットして、床に貼っていく。

    ちなみにDIYではメジャーや定規で寸法を測り、鉛筆で印をつける場面がひんぱんにあるので、ポケットにはつねにメジャーと鉛筆を入れておく。やがてつみきさんを真似て鉛筆を耳に差してみたら、さらに動作がスムーズになった。

    板のカットは、危険なイメージのある丸ノコを扱うことにとても緊張した。でも、パワーが強すぎない初心者向けの製品をつみきさんが用意してくれて、説明に沿って慎重にトライするうち、すぐに慣れたのは自分でも驚いた。

    DIYといっても、知識がないままやると、一歩間違えば大ケガにもつながる危険をはらんでいる。プロから正しいやり方をきちんと指導してもらうことで、作業一つ一つを安全に効率的に、楽しく行えるのだ。

    カットしたフローリング材は、「サネ」という凸凹部分を組み合わせながら一枚ずつ貼っていく。だから板をカットする際は当然サネを切り落としてはいけないし、湿気や乾燥で板が伸縮することを加味して、適度にスペースを空けて貼り合わせる必要がある。他にも、きれいに仕上げるためのポイントがいくつもあって、それをうっかり忘れて次の工程に進みそうになっては、つみきさんが教えてくれて、「あぁいけない、そうだった」というくり返しだった。

    8畳のフローリングを貼るのにかかった時間は、半日×4日。フローリング貼りは終始きつい体勢の作業で、素人が丸一日やるのは体力的にしんどい。だから午前は仕事をして、午後の4時間程度をDIYに充てるようにしていた。夫はちょうど締め切り前で余裕がなかったので、基本はわたし1人で(つみきさんについてもらいながら)作業を進め、娘が学校から帰ってくると途中から手伝ってもらった。最初は根太に木工用ボンドを塗る役を頼んでいたのが、そのうちインパクトドライバーでビス穴を空け、ビスを打つことまでできるようになり、フローリングの貼りじまい(部屋の端の最後の1枚を貼る)の瞬間も、2人で協力し合って作業を完了させた。

    こうして、根気と体力と緻密さを要する作業であることが痛いほどわかった8畳のフローリング貼りだったが、仕上がりはきれいで大満足。フローリング材は1階のリビングと同じカラマツ。素足で触れても温かみがあるところが気に入っていて、今回のリノベーションでは、洗面所やトイレ、廊下まですべてこの材で統一した。

     

    • 左官とステイン塗装はライブ感が醍醐味

    床貼りの次は、塗装。全体を白く塗った子ども部屋と違い、この部屋はペンキ、漆喰、ステインの3種類の塗料をパートごとに塗り分けるため、少し手間がかかる。

    でもゴールデンウィーク中、友人家族やつみきさんのスタッフなど、普段より人手がある日に作業したおかげで、ワイワイやっているうちに終わっていた感じだ。

    最初のイメージでは、壁は全部漆喰で考えていたが、建具に囲まれた部屋なので、欄間など狭い面は塗りやすいペンキにして、北側の壁だけを漆喰にした。

    天井も、濃茶のステインを塗るつもりだったが、きれいにしみこまないため、ペンキに変更。ペンキの色は、漆喰と差が出ないキリッとした白で、茶色とのコントラストによって和モダンな雰囲気を出す狙い。

    新設した壁にステインを塗るのは、友人親子とわたしたち母娘の2組で、面の左右半分ずつに分かれて作業したら、あっという間だった。

    続いて漆喰塗り。漆喰は、調湿や防虫効果のある自然素材。DIY用の材料はすべてホームセンターで揃えられる。フローリング貼りと同様、塗るときは細かなポイントとコツがいくつもあり、たとえば、コテのどの位置に漆喰を乗せるか、そのコテをどんな角度で動かして壁に塗りつけていくか、力の入れ具合は……などなど。プロに教わりながらでも難しいけれど、表面のムラも味わいになるため、ライブペインティングの感覚でやったらとてもおもしろかった。

    大きな面の塗装が終わり、障子の枠と床のステイン塗りは家族でやった。

    ベッド脇の本棚を作り、最後は、つみきさんが作ってくれたワイド幅の収納の引き戸を、庭から屋根越しに2階へ引き上げて運び入れ、これにもステインを塗る。

    ちなみに、新たに購入したベッドも階段の幅が足りず、つみきさんに手伝ってもらって同じ方法で運び入れた。でもベッド生活は思った以上に快適で、見た目だけでなく住み心地が格段によくなったことを日々体感している。

    次回は、薄暗かった洗面所が、夢の家事室へと生まれ変わった様子をお届けします!(つづく)

     

     

    小川奈緒プロフィール

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