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    【第7回】納戸をDIYでリノベーションする

    【第7回】納戸をDIYでリノベーションする

    物置を脱して「子どもの図書室」に

    2階の北東角にある納戸は、わたしにとって最大の「もやもやゾーン」、ずっと悩みのタネだった。

    2畳の板の間に、1畳分の押入れと天袋。わたしと夫の各仕事部屋におさまりきらない本やマンガをメインに、古いアルバムやひな人形などが脈略もなくここに押し込められており、でもよくよく見ていけば、ほとんどは昔のボードゲームやレトロなおもちゃが大好きな夫の「宝もの」だ。

    リノベーションが始まる前から折に触れて「納戸の荷物を減らしてね」と夫に頼んでいたのだけど、その話になるとすぐ不機嫌になり、腰を上げる様子もない。そうこうするうちに工事が始まってしまい、さすがに見かねて「納戸の整理、まかせてもらっていい? 何か捨てるときはちゃんと確認するから」と申し出ると「助かる」との返事。やれやれ、最初からそうすればよかった。

    さて、そうとなれば、まずは部屋のコンセプトを決めないと。現状の混沌とした物置状態から脱却することはもちろん、もっと明確なゴールを設定することで荷物の取捨選択もしやすくなる。

    夫がシリーズで揃えているマンガやボードゲームからイメージを膨らませ、ここに壁面本棚を作り、児童書や絵本をずらりと並べて「子どもに戻れる図書室」にするのはどうだろう? 夫に提案すると、パッと目を輝かせて「それ、いい!」。本棚に並ぶ本のタイトルを眺めながら童心に帰れるよう、小さな机と椅子も置きたい。

     

    • しまう本に合わせて棚の寸法を決める

    こうして、押入れと反対側の壁一面にぴったりおさまる棚をつみき設計施工社さんに設計してもらうことになった。

    棚板の寸法は自由に設定できるとのことで、しまう本のサイズに合わせて自分たちで数字を出すことに。

    まず、納戸の隣りの6畳の床にマスキングテープで棚の実物大の図面を描き、部屋の四方に児童書や絵本をずらりと置いて、先にわたしが大切にしている本(全体の2割程度)を本棚の枠内に並べた。夫も渋々と選別にとりかかり、本棚になるべく余分な隙間ができないように、似たサイズの本同士を並べながらシミュレーション。こうしてどの本を棚のどの位置に収めるかということまで先に決め(写真で記録しておいたのが後で役立った)、棚板の奥行きと高さを出した。それを元につみきさんに設計図をつめてもらった。

    この作業のために本をすべて納戸から運び出したので、流れで壁のペイントもやってしまう。小さな部屋だから、シーラー塗りからペイントまで夫婦でできた。色は子ども部屋と同じミルキーホワイトで、窓のサッシまで塗り、床にはパンチカーペットを敷く。すると、新婚時代に東京の世田谷で暮らした家の、わたしの仕事部屋にそっくりになってびっくり。 白のペイントやグレーのカーペット、ガーリーなカーテンなどがその雰囲気を生んだのだろうけれど、好きなものって変わらないんだなぁ、としみじみ思った。

     

    • 完全オリジナルの壁面本棚をDIY

    壁面本棚作りは、わたしと夫とつみきさん2名、計4人で朝9時から午後3時ごろまでにほぼ完成を目指す。そのために、板材はつみきさんが前もってホームセンターで購入し、カット加工まで済ませてうちに運び込んでくれた。わたしたちも作業日までに墨出しの宿題(縦板に横板を打ちつけるポイントをえんぴつで印をつけておく)をやった。

    作業当日は、河野桃子さんと夏目奈央子さんの小柄な女性2人のキビキビとした仕事ぶりに、背だけは高いわたしと夫が必死についていきながら、組み立てとビス打ち、ステイン塗装、部屋に運び入れて設置、といった工程を次々と進めていった。ステインは、夫婦の寝室で使ったものが余っていたけれど、この部屋のイメージにはちょっと重たく感じたので、つみきさんが在庫していた明るめのブラウンを使わせていただいた。

    こうして、スタートこそ夫婦の確執によって雲行きが怪しかった納戸だけれど、それを乗り越えて新しく生まれた図書室は、「これがあのもやもやゾーン?」と自分でも信じられないくらい愛しい空間になった。

    子どもの本と、思い出が詰まった小物が収まり、娘の服を作ったハギレをパッチワークしたカーテンが吊るされ、しかも昔暮らした家の面影まである部屋。時間があればいつでもここに来て、本棚を眺め、1冊抜き取ってしばし読書に浸って……なんて時間ができるのはまだ先になりそうだけれど、とにかく今回のリノベーションで、実は一番驚きと喜びが大きかったのが、この部屋のような気がしている。

    次回は、スペースを少し広げて使いやすくなったトイレのリノベーションをお届けします!(つづく)

     

    小川奈緒プロフィール

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