『ブラックライトでさがせ!深海の不思議な生きもの』おしえて!えのすいトリーターさん 第1回 クラゲのゆらゆら王国に登場するコトクラゲの食事方法にびっくり!
深海の生きものたちって本当に不思議!
このページでは生物監修をお願いした、新江ノ島水族館のえのすいトリーターさんたちに、びっくりするような生物の生態や、深海についての知識を教えてもらいます
えのすいトリーター
足立 文(あだちあや)さん
プロフィール
クラゲと共に20余年。
「クラゲってすごいな」という思いを更新し続けています。
足立 |
「クラゲのゆらゆら王国」に登場する、コトクラゲ。ウサギの耳みたいな形をしたクラゲで、ふつうのクラゲのようにゆらゆらと海の中をただよわないで、岩などにくっついて生きています。 |
|
イソギンチャクみたいなクラゲですね! でもクラゲだから刺すんですか? |
足立 |
実は、コトクラゲは刺さないクラゲです。ちょっとむずかしいのですが、クラゲには、刺胞(毒針)を使って刺してえさをつかまえる「刺胞動物門(しほうどうぶつもん)」というグループと、刺胞を持っていない「有櫛動物門(ゆうしつどうぶつもん)」というグループがあって、コトクラゲは「有櫛動物門」のクラゲなんです。ふわふわ王国に出てくる、きらきら光るシンカイウリクラゲも「有櫛動物門」のクラゲなんですよ。 |
|
コトクラゲは毒針を使わないで、 どんな風にえさをつかまえるんですか? |
足立
|
ちょっとびっくりするようなやり方で、えものを食べます。ウサギの耳のように見えるのは腕(袖状突起)で、この先端から触手をのばしてエサをつかまえるんですよ。そして、食べるときは、腕の先端からえものを取り込みます。
|
|
えものを取り込むんですか? |
足立
|
この写真は、腕にエサのエビを置いてみたところです。 どんなふうに食べるかというと・・・。 |
|
わーっ!腕がガバッとひらいたよ! |
足立 |
そうなんです!えさのエビをコトクラゲの腕の上においたら、先端がひらいて、つつみ込むように取り込んで、からだの下に方にある口に運んでいったんです。 |
|
口は下の方にあるんですね……。 このクラゲはえのすいで見られるんですか? |
足立 |
深海のクラゲはなかなか展示できないのですが、コトクラゲに形がにていて、同じようにあまり泳がないクラゲ、「ソコキリコクラゲムシ」を展示しています。よかったら見にきてくださいね。 |
取材:2019年10月1日