PIE International

    Welcome to PIE International website! Please select
    your country or region.

    We hope you will enjoy our Pretty,
    Impressive and Entertaining (=PIE) Books!

    #今月の本屋さん 啓林堂書店奈良店×奈良女子大学書店ゼミコラボ企画「のぞく鹿ないで書店」(奈良県奈良市)

    #今月の本屋さん 啓林堂書店奈良店×奈良女子大学書店ゼミコラボ企画「のぞく鹿ないで書店」(奈良県奈良市)

    みなさんは日本に国立女子大が2つあるのをご存じでしょうか。東はお茶の水女子大学、そして西は奈良女子大学です。今日はその奈良女子大学の生徒さんが選書をし、POP作成から飾り付けまでしたフェア「のぞく鹿ないで書店」を実施中の本屋さんを紹介します。

     

    奈良女子大学は近鉄奈良駅から5分ほど歩いたところにあります。70年以上の歴史をもつこの大学には関西からだけでなく、日本全国から学生が集まっています。2022年4月には女子大初の工学部が誕生するそう。文学部 人文社会学科の小川伸彦教授による、書店の研究を行うゼミがあり、今回はそのゼミ生のみなさんが主人公です。

     

    啓林堂書店奈良店は近鉄奈良駅のすぐそば。奈良の都の中心地にあり、奈良国立博物館や東大寺、春日大社など奈良の見どころの多くを歩いて見て回れます。

     

     おお、入り口には今回のお目当てのフェアの告知が…。

     

     さて、店内に入ると、奈良についての本がたくさんあります。

     

     奈良の歴史や仏像など、奈良について、ない本はない!という感じです。

     

    本棚には仏様もいらっしゃいます。

     

    そしてこちらが奈良女子大の生徒さんが作った「のぞく鹿ないで書店」です。テーマはイケメン特集。

     

     「あなたがイケメンだと思う人」を生徒にアンケートした結果も飾り付けされています。この中から熱く刺さるものを厳選し、選書に活かしたそう。『進撃の巨人』のリヴァイ兵長のような男性だけでなく、『STAR WARS』のレイア姫、『雪花の虎』の長尾景虎(が女性だったという仮説に基づく漫画)などジェンダーレスにイケメンが選ばれています。

     

    そのイケメンの部屋はこうなっているはず…と妄想した「妄想書店」。たとえば『進撃の巨人』のリヴァイ兵長の部屋には刀剣の本があり…

     

    そしてきれい好きなので汚部屋掃除の本、紅茶が好きなので紅茶事典など、こんな本が部屋にあるはず…と妄想した選書になっています。

     

    女性のイケメンたち。POPには「百合漫画の代表」とあった『オトメの帝国』が気になったので買ってしまいました。

     

    こちらはイケメンの仏像本。さすが奈良です。『ミズノ先生の仏像のみかた』を購入。そのとなりにゴリラ本があるのはなに?と生徒さんに伺ったところ、「人間以外のイケメンをテーマにした棚です」ということ。

     

    今なら特製缶バッジをプレゼントしていますよ。 

    まだまだ紹介しきれない面白い選書が雑誌も含めて全53冊。ぜひ現地でご覧いただきたいです。

    こんなに面白いフェアを企画した経緯を、ゼミを率いる小川教授と、啓林堂書店奈良店の西田大栄店長に伺いました。書店ゼミでは当初、書店経営に関わる様々な事案について、生徒さんたちと一緒に研究テーマを決めていきましたが、本屋さんの実情を知るために、小川教授が西田店長にインタビューの協力を依頼。快く引き受けた西田店長が、「だったら実際に選書や仕入れまで経験してみたらどうでしょう」と逆提案をしたことがこの企画につながったとか。以前より啓林堂書店奈良店では地元の作家さんが選書したフェアを行ってきていたので、自然と外の意見を取り入れる土壌があったそうです。

    すでにゼミ自体は終了しているため、単位取得につながるわけではありません。ですが、生徒さんたちも選書を心から楽しんでされていて、その気持ちが棚から伝わってきます。また、楽しいだけではありません。実は「棚1本につき月5万円」という売上目標も課されています。このフェアは11月末で終了し、売上を集計し、反省会も予定しているそうです。ということでみなさん、ぜひ応援してください。

    そして12月には、ゼミ生の別のチームが選書を行った「ホンノムシ書店」が始まります。なんと生徒さんたちが出版社の営業担当とZoomで商談を行ない、選書しています。書店と出版社をつなぐオンライン商談会「書店向けWeb商談会」が今年の10月に行われ、そこに参加されていました。奈良女子大学の生徒さんがどんな本を読んで育ってきたのか、今どんな本を読んでいるのかなどを紹介するフェアを予定。……なんて素敵なフェアなんでしょう。私はこの企画を日本全国で行って欲しいです。北海道の書店×北海道大学、沖縄の書店×沖縄大学、なんて、どんな棚か、見に行きたくなりませんか?

    小川先生や生徒さんに奈良の特徴を伺ったところ、「オープン」なところだそう。奈良は外の人も受け入れてくれるので、誰にとってもふるさとになりうるとのこと。だからこそこんなふうに、著者や、出版社・書店・読者がつながって、一緒に大きな物語を作り出すことができるんですね。メーカーがメーカーだけでなく、消費者など関係者を巻き込んで一緒に「私たちの物語」を創り上げる手法を「ナラティブ」と言うそうですが、まさに「奈良ティブ」ですね。 みなさんぜひ、11月・12月は奈良へ……!

    啓林堂書店HP:https://www.books-keirindo.co.jp/

    ホンノムシ書店 Twitter:https://twitter.com/honn_mushi_nwu

    (書き手&撮影:PIE 三芳)

     

    この他の本屋さんの記事を見るには・・・
    #今月の本屋さん 連載トップへ
    https://pie.co.jp/series/4860930/

    シェアする

    このサイトは、サイトを改善するためにCookieを利用しています。
    お使いのブラウザにてのクッキーの有効/無効を設定いただけます。
    サイトを利用することで、Cookieの使用に同意するものとします。
    プライバシーポリシー

    OK