＃今月の本屋さん　大垣書店京都本店（京都府京都市）

前回に引き続き、今回も京都の本屋さんを紹介します。

大垣書店は創業1942年、京都府を中心にグループで50店舗以上を展開し、特に京都府では大変よく知られている本屋さんです。その本店である「大垣書店京都本店」に伺ってきました。

 

ここは京都市の中心市街、四条烏丸。銀行や企業の多い街で、忙しく人々が行き来しています。「四条烏丸」のバス停の目の前に「SUINA室町」という商業施設があり、この1Fに大垣書店京都本店はあります。ちなみにSUINAは「粋な（すいな）」という京ことばから来ています。

 

店内はとても広々としています。京都らしい落ち着いた照明で、品があります。書籍だけでなく「旬の京都」をコンセプトにした京都の名産食品や文具雑貨なども扱っています。いずれも京の魅力を伝える品物ばかりですが、今回は芸術棚を拝見したいと思います。

 

店内の大通りに面したところに芸術書の棚が見えてきました。大きく「芸」と描かれ、「ART & DESIGN」と英語表記された看板が目印です。とってもカラフルでポップ、斬新！という印象です。どうしてこんなにポップな印象なのでしょう？と近づいてみます。

 

すべての芸術書が棚差しではなく面陳されています。そして新進気鋭のイラストレーターさんの画集が中心になっています。古塔つみさん『赤盤』や、ざしきわらしさん『ざしきわらしイラスト作品集 COLOR PALETTE』（いずれも芸術新聞社刊）のほか、ダイスケリチャードさんや八館ななこさんといった、PIEで出版している作家さんの作品集もたくさんあります。

こうしたイラスト画集を芸術書棚の一等地に面陳していることについて、芸術書を担当されている奥地雄太さんにお話を伺いました。

「デザイナーやイラストレーターといったクリエーターの方、あるいはクリエーターを目指している方に、『この棚にくれば新鮮な本に出会える』と認知してほしいと考えています。そのため、クリエーターさんにとって入口となるような、手に取りやすい本を並べてみました。今回はクリスマス時期ということもあり、表紙がカラフルなイラストレーターさんの画集を中心に面にしています。今後は『別冊太陽』の特集をしたり、デザイナーのための入門書を特集するなど、いつも新鮮な棚にしたいと考えています」

 

イラスト画集だけではなく、写真集や絵画の画集も面陳されています。こちらもPIEの本もたくさんあってうれしい。本の前に並ぶクリスマス用のPOPが統一感を生んでいます（Merry Christmasと書かれています）。このPOPも奥地さんの制作だとか。

 

さきほどの棚の横にもクリスマス向けに提案している画集棚が。西洋絵画や美人画が多めです。『美人画ボーダレス弐』（芸術新聞社刊）を購入。

 

こちらは「建築書出版社が贈る絵描き・クリエーターに役立つ本フェア」。建築書で著名なエクスナレッジさんの企画です。吉田誠二さんの『ものがたりの家』も積んであります。その横では「写真芸術」の文字が光るPOPがあります。店内で使用するPOPのフォントやロゴをそろえているので統一感があります。書籍がほのかに浮かび上がるこの照明、京都の街中でも建物をこうして照明で浮かび上がらせていて、雅だなあと思っていましたが、どこか通じるものがあります。

 

最後に、こちらは技法書の棚。『寺田克也 SKETCH』や『ニュー・リアルクローズ イラストレーション』など面陳されている本は、確かにイラストを描く方にとっても参考になりますし、クリスマスプレゼントにもなりますね。『海が走るエンドロール』は年配の女性が映画を撮り始めるテーマの漫画ですが、この右側に映画棚があるため置いてあるようです。「手にとってご覧ください」とPOPに手書きしてありますが、実際、手に取ってほしい素敵な漫画で、「このマンガがすごい！2022」のオンナ編1位に選ばれました。

棚を見ていると気づきや発見につながり、一日中いても飽きません。京都に来たら、ぜひ大垣書店京都本店へ伺ってみてください。

※こちらの記事の撮影は2021年11月に行っております。棚は新鮮なものへと変わり続けています。最新情報は大垣書店京都本店のTwitterをご覧になってください。

 

大垣書店京都本店Twitter：

https://twitter.com/k_honten_ogaki

 

大垣書店HP：

https://www.books-ogaki.co.jp/

 

（書き手＆撮影：PIE 三芳）

 

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