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    ノアンティクの夢物語 第13夜「人体模型の夢物語」

    ノアンティクの夢物語 第13夜「人体模型の夢物語」

    薄汚い女神像

    地主の娘の部屋のベランダからは、全身に薄汚い苔がこびりつき、手入れされないまま放置された約2m程の女神像が見える。

    ほとんどの者がその像を気味悪がったが、屋敷を出ることを許されなかった娘にとって、窓から見える彼女はいつしか大切な存在になっていた。

    数年が経ち、戦争がはじまった。娘は、家族と共に遠い親戚のところへ逃げることになった。
    像は屋敷に置いていかなければならなかった。
    別れを嘆き悲しむ娘に、女神像は声をかけた。

    ーやっと外へ出られるのになぜ泣くのですかー
    「私にとってあなたは、母のような存在なの。離れるなんて絶対嫌よ。」
    ー・・・それでは、あなたにだけは私の秘密を見せましょう。その茂みに隠れたノコギリを手に持ち私の指示に従うのです。ー

    女神像の秘密

    娘は言われたとおり像に刃を入れた。
    不思議なことにその感触は、肉と同じようだった。
    薄汚れた像の中には本物の人間のように内蔵が詰め込まれ、それらは美しいフランスプレートのような繊細な模様で溢れていた。
    ・・・・・・
    気が付くと女神像は、あっという間にバラバラに刻まれた遺体のようになっていた。
    娘はその美しい内蔵や手足を大切に持ち続けたという。

    “人体模型(Anatomical Model)”とは

    臓器を模した模型で主に解剖学の勉強に用いられた。
    人間の体内構造を見れるものや臓器ひとつひとつが分かれているものまで種類は様々。
    素材も木材、石膏、張り子など様々なものがあるが蝋を使用したワックスモデルは18世紀にヨーロッパ全土へ広がった。

    text:まくらくらま
    次回の更新は6月中旬の予定です。お楽しみに。

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