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    パスクール出版記念 Twitterスペースイベント<前編>

    パスクール出版記念 Twitterスペースイベント<前編>

    池田:
    『パスクール』出版記念、Twitterのスペースでのイベントを始めます。
    司会進行は、『パスクール』の編集を担当しましたパイインターナショナルの池田が務めさせていただきます。よろしくお願いします。早速ですが今日のスピーカー、著者チームより村石さん、吉田さん、清水さんにお越しいただきました。御三方、簡単なご挨拶をよろしくお願いします。
     
    村石:
    『パスクール』の企画、デザイン、動画も作ってます。村石と申します。
     
    吉田:
    同じく企画、デザインを担当しました。アドビで書体デザインをしています吉田大成と申します。
     
    清水:
    『パスクール』で企画と今回は“重版出来”のロゴマークを制作しました。普段は玩具メーカーに勤務しています。清水と申します。
     

    『パスクール』の出発点

     
    池田:
    今回『パスクール』を商業出版しましたが、他のデザイン系書籍と比べるとオリジナリティのある内容になっています。ちょっと不思議なこの本のコンセプトや企画に関して、参考にしたものがあれば教えていただけますか?
     
    村石:
    筑紫明朝のフォントを作るパスみたいなものを表示している動画を見た時に、自分の中でパスの引き方の理解が進んだ感覚があって。ロゴや作字と組み合わせることで、より分かりやすい解説というか、新しいものができるんじゃないかなって思いついたのが一番最初ですね。それですぐに吉田に連絡して、一緒に作ろうよってところから始まりました。


     
     

     

    世界観設定の理由

      
    池田:
    『パスクール』では世界観を設定していますが、他のデザイン書ではあまり見かけません。今回、学校に入学して登場キャラクターであるレーコやベル爺とかと一緒に学習していく流れになってるんですけど、この世界観を設定した理由は何かあるんでしょうか?
     
    吉田:
    第一に他のマニュアル本と差別化して目を引きたかったところがあります。パスってけっこう小難しい技術みたいな印象がありますけど、それが原因で始められなかったり、億劫になったり。自分もそういう節があったので、他と印象を変えたくて世界観を作った経緯はあります。
     
    池田:
    キャラクターもすごくかわいくて、完成度は高い。キャラクターだけでも割と立っていますよね。
     
    吉田:
    そうですね。マニュアルの本に比べるとイラストが結構多い本です。
     
    池田:
    要所要所や作例で出てきてすごくかわいいです。デザイン書の肝心要のところではないんだけど、世界観を作ることでパスを学びやすくなっているのかなと思いました。他にも一限から四限までと設定されていて、実際入学して卒業していく、みたいな流れが扉のイラストで見えてくると感じました。
     
    吉田:
    表紙もそうですけど、間の扉ページもかなりのイラスト量で、結構異例なんじゃないかな。そこは持ち味だと思っています。

     

    池田:
    読んでくださる方にぜひ楽しんでもらいたいところですよね。
     
    吉田:
    そうですね。
     
    村石:
    世界観に関してはやっぱりタイトルが大きいのかなと思います。『パスクール』というそもそもの名前。同人誌版に載っている、各自がタイトルを案出ししたものをツイートしたんですけど。『パスクール』っていうのはトリプルミーニングになっていて、パスをひけるのはかっこいいというパス・クールという意味と、スクールとう意味と、パルクールという障害物をのりこえていく競技をもじったみたいな感じだったんですけど、この名前じゃないと確実に学校という舞台設定にはしてないと思うので、本当にこの名前を考えてくれた清水に感謝っていう感じですね。

      
    池田:
    清水さんが『パスクール』っていう名前を考えたんですね。初耳でした。
     
    清水:
    はい。三人で案出しした時にたまたま自分が出して、皆からもいいねって形でこれを軸に広げていきました。
     
    池田:
    パスの本としてシンプルだけどすごく強い言葉になっているから、今回は文字デザインだけど『パスクール』でまた違うパスを使った話なんかはできるよねって、自分は考えたりしました。ほんとにいい名前で世界観もありますよね。
     
    清水:
    名前を考えたときにこんなに広がるとは思ってなくて。そこはやっぱりnanoのイラスト力やメンバーの世界観構築によってできあがったのかなと思っています。
     
    池田:
    キャラクターもオリジナリティのある感じでいいですよね。途中から登場キャラクターがプレゼンテーションをするところがあるんですけど、作品が載っている後ろの背景は村石さんがデザインされたんですよね?
     
    村石:
    三限の講評会。ここは僕がイラレでかきました。

     
    池田:
    すごくnanoさんのイラストとかみあっていて、いい入りだなと僕はこのデザインを見た時に思いました。
     
    村石:
    イラストのデフォルメ具合とうまく合うように調整して描いた感じです。
     
    池田:
    これもぜひ読者の方にはチェックしていただきたいなと思います。
     
     

    同人誌版『パスクール』との違い

     
     
      
    池田:
    先ほど村石さんがおっしゃっていたように『パスクール』はもともと著者の皆さんが自費出版された同人誌版がベースになっています。私も最初購入して、その時からすごく完成度が高かった。すごいなあと驚きがあって、そこから商業出版のオファーをさせていただいたんですけど、弊社から出ている『パスクール』と同人誌版の違いについて教えて下さい。
     
    村石:
    単純に読みやすくなったと思います。皆デザイナーなんですけど書籍のデザインとかは全くやってないし、なんならロゴデザイナーもいないし、執筆をしている人もメンバーの中にいなかったので、本当に大学の頃ちょろっとやった知識とか新しく勉強した知識でなんとか作ってたところがあるので、そのへんがかなり改善されました。色んな方に入っていただいて、修正していったので、完成度がかなり上がりました。あと、後半の内容をガラッと変えてやりたいことが明確に伝わるようになった気がします。
     
    池田:
    そうですね。同人誌版は後半がパスクールの作り方みたいな話でしたね。
     
    村石:
    同人誌版では、本をつくるのにもロゴをつくる時に意識しているところをこうやって流用してるよ、みたいなことが言えたらいいなと思って載せました。今回はよりパスを引くことに特化した内容や、この先継続していくコツに絞った感じで変えました。
     
    池田:
    吉田さんはどうでしょうか。
     
    吉田:
    なんといっても、新規ページの講評じゃないですかね。三限目に講評会参加っていうのがあって。このページは友人や関係者に手伝ってもらって、ロゴをオリジナルで作ってもらいました。それを僕と村石で、ここを改善できるんじゃないかとか、ここはパス的によくできるとかを盛り込みながら、僕たちが考える理想の姿にどんどん変えていって。完成型になってビフォーアフターでこういうふうに違うよって紹介するページがあって、これは結構面白い取り組みだなあと思っています。

      
    池田:
    デザイン系の書籍でこういうのはあまり見ないですよね。
     
    吉田:
    学校っていうテーマに合っているなと思って。大学内でも講評は何度も経験したんですけど、それを活かしたくてこういうページを作りました。
     
    池田:
    三人出てくるキャラクター、三人の講評のページ。最初の“重版出来”は清水さんが担当されたんですよね。これは本当に、講評の流れのまま作っていった感じですか?最初にアートボードにサンプルになるフォントをおいて、そこからパーツを重ねていき、レイアウトする流れでやったんですか?
     
    清水:
    基本的にはこの流れで制作しました。制作過程だといろんなところにいったりきたりするので、整理立てて、きれいに、読みやすくなっていると思います。

     

    池田:
    実際に作った時よりも、わかりやすい流れになっている。
     
    清水:
    そうですね。
     
    池田:
    一番最初に作ったものからアフターになった時まで結構変わりましたよね。どう思いましたか?
     
    清水:
    自分が届き得ないところとか、見えなかったところがわかって、こういう幅があるんだ、同じものでもこういうところまで届くんだみたいな、わくわくした気持ちがありました。
     
    池田:
    解像度が高くなる度にものすごく細かい作業を繰り返しているページになっていますよね。
     
    村石:
    このコンテンツの恐ろしいところは、解説内容が決まってないんですよ。先にロゴを作ってもらってから、うまくここのページにはまるように解説内容を考えないといけなくて。それがめちゃめちゃ難しかったですね。
     
    吉田:
    お願いしたはいいものの、一体どんなロゴができあがって、そして何を解説するのかっていうのは解説するまで分からないという。
     
    池田:
    あくまでページの中ではキャラクターのプレゼンと校長の講評の話になってるんですけど、中身はすごく示唆に富んだ内容になっています。うまくまとまってるなと思いました。こういう流れであともう1つ“鈴木酒店”と最後、主人公のレーコの作品が載っているのが今回商業版になったときの大きな違いですよね。
     
    吉田:
    個人的には、町文字のページも。普段から町文字に興味があって写真を撮ったりしていて、今回パイインターナショナルさんから出版させていただくということで、松村大輔さんを特別講師でお呼びしました。


     
    池田:
    弊社の松村と皆さんで川越に町文字を探しに行く郊外授業をしまして、そこで結構色々いい文字を見つけてはおおーと言っていました。
     
    吉田:
    非常に楽しかったです。
     
    池田:
    それが後半、継続編で郊外授業として6ページ。意外に量が入っているという(笑)
     
    吉田:
    マニュアルじゃないですけど、そういう本に途中でフィールドワークが入るってなかなかないですよね。
     
    池田:
    町文字って、いわゆるデザイン書っていうよりは、文字のカルチャーみたいなのがなんとなく入ってくるのはいいなあと僕も思いました。継続編ではおすすめのアイテム紹介や吉田さんにめちゃめちゃきれいに撮影していただいた自前のアイテムのページもあるので皆さんぜひ参考にして下さい。あと推薦図書。セレクトは皆さんでされたんですか?
     
    村石:
    そうですね。何がいいのか一緒にリストアップしてこれにしようって絞っていった感じです。
     
    池田:
    いわゆるデザイン系の書籍じゃないのもあるじゃないですか。この本に載ってていいのかな?みたいなのも結構あるから、そこがこの本の一筋縄じゃいかないところになっていると思います。
     
    村石:
    全然別の分野の本だとしても、デザインの本質的なことが書かれていたりすることがよくあると思うので、そういう本を探して載せていった感じです。
     
    池田:
    個人的な感想ですが、料理の土井先生の本「一汁一菜でよいという提案」が入ってるのがすごくいいなあと思いました。土井先生いいお話されますよね。

     

    <後編>につづく

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