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    制作現場から日常生活まで使える 色名と配色の活用方法とは? 『色の名前でみつける配色手帖』著者・武川カオリさんインタビュー

    『色彩センス』(2014年刊行)、『色彩ルールブック』(2016年刊行)、『イメージ・国・季節・行事からすぐにみつかる パーフェクト配色ブック』(2019年刊行)など、色にまつわる本をたくさん執筆されている武川カオリさん。最新刊『色の名前でみつける配色手帖』はイメージに合った色名から探す新しい配色のアイデアブックです。本書の制作意図や活用方法などを伺いました。

     

     

    ー色名に着目した配色ブックはこれまでなかったと思います。なぜ今回色名にフォーカスしたのでしょうか?

     

    身近な色であっても、ひとたび色名がつくと独特のイメージを持ち、私たちの心を動かすメッセージを発信したり、想像力を刺激する情報源となります。例えば、同じ赤でも、「パッションレッド」と「いちご色」ではイメージがまったく異なります。「パッションレッド」は情熱的なイメージですが、「いちご色」は可愛いイメージです。

     

     

     

    色名にフォーカスしたのは、配色において色を言葉のように扱い、色の表現力を高めることにより、色の持つコミュニケーションのパワーを最大限に引き出してみたかったからです。また、配色に色名をプラスすることで、配色のイメージがどのように広がっていくのか、チャレンジしてみたいと思いました。

    実は、以前出版した『色彩ルールブック』の一部で、初めて色名と配色のコラボにチャレンジしたのですが、読者の方から好評で、もっと幅広い色名での配色を見てみたいというご意見をいただいたことも念頭にありました。

     

     

    ー本書の構成について、「暮らし」「イメージ」「季節」に章分けした意図を教えてください。

     

    本書は色名だけでなく、配色のテーマ、使用するイメージ写真にも非常にこだわり、新しいアイデアのユニークな配色ブックを目指しました。

    1章の「暮らし」の場面(フード・リビング・サービス・インテリア)から配色を考えるコンテンツは今までにない、新鮮なアイデアだと思います。特にインテリアに関しては、テーマとして扱った配色本はありましたが、本書では色名と色名のイメージを喚起させる写真から思い浮かぶ配色を紹介しているところが特徴です。

     

    また、2章では配色には欠かせない「イメージ」を、3章では魅力的な色が豊富な「季節」をテーマにしました。

     

     

     

    ー色の名前が商品の魅力となりヒットした事例を教えてください。

     

    カネボウ化粧品による口紅「KATE(ケイト)リップモンスター」です。2021年5月に発売された商品ですが、逆風のコスメ業界でモンスター(怪物)級の大ヒットを飛ばし、発売後約4カ月で累計出荷数100万本以上を突破し、今なお入手困難な色名があるとのことです。ヒットの最大の秘訣は、化粧品では今までにない強力な商品のネーミングにプラスして、口紅の色名にストーリー性を持たせたことです。「欲望の塊」や「2:00AM」「パンプキンワイン」などと独創的で新奇な色名を表現したことで、販売ターゲットの若い女性が「どんな色?」と想像力がかき立てられ、SNSで話題にしました。

    「欲望の塊」は、「派手な赤は嫌、子供っぽく見えるピンクも嫌、絶妙な赤ピンク系の口紅が欲しいというモンスターの欲望に応えるピンクレッド」というストーリーがあります。「2:00AM」は、モンスターが活発になる時間帯で、不気味なダークナイトをイメージしたくすみ系ディープレッドです。また「パンプキンワイン」は、モンスターが飲んでいる飲み物をイメージした、煮詰めたカボチャとワインの深みを感じる大人っぽいテラコッタブラウンです。いずれも、「どんな色なのか?」「なぜ、そのネーミングなのか?」と、思わず好奇心がそそられ、買って試してみたくなります。

     

     

    ー各種デザインや企画開発などのカラープランニングを行うプロの現場で、本書をどのように活用できますか?

     

    商品の色をプレゼンテーションする際に、単なる赤や青、黄色という一般的な色や色番号でなく、感覚的な言葉を使った色名を使うことで、その色は採用されやすくなります。例えば、クライアントなどが個人的な好き嫌いから特定の色を拒否した場合、その色に情緒的で魅力的な名前をつけたり、色名にストーリー性を持たせてアピールすることで、説得できることがあります。

    また、本書の色名は商品のネーミングに、配色は商品やパッケージ、広告、サービスなどに活用することができると思います。色は戦略的に上手に使えば、今までのデザインや商品の限界を打ち破る新しい糸口を生み出すことができると思います。

     

     

     

    ー日常の中で、例えばどのような時に本書を使用できるでしょうか? 具体的なイメージがあれば教えてください。

     

    多彩な色と触れることで、色彩センスを磨くことができると思います。もし、本書を見てある色に興味を持ったり魅了されたのなら、その色と配色を実際に使ってみることをお勧めします。大切な人と会うためにオシャレをしたい時、ビジネスでビシッと決めたい時、休日をカジュアルに楽しみたい時など、本書にある色と配色をファッションのカラーコーディネートに取り入れてみてください。また、毎日の食卓のテーブルコーディネートやフラワーアレンジメント、部屋のインテリアコーディネートにも、活用できると思います。

    前回の『パーフェクト配色ブック』の時には、読者の方が掲載した配色を元に絵を描いたり、塗り絵をしたりする際に、また、パッチワークやレジンアクセサリーなどのハンドメイドの作品を作る際に、色使いの参考にしているというメッセージを送ってくださいました。本書も同じように、趣味の創作活動に活用していただくことができると思います。

    色を積極的に使い、好奇心を持って触れ合うことが、色使いを上達させる第一歩です。本書で、色とのコミュニケーションを楽しんでください。そして、これまで色を制限してマンネリ化していたなら、新しい色の世界にチャレンジしてください。

     

     

     

    ー創作のアイデアソースとして本書はどのような役割を果たしてくれるのでしょうか? 具体的なイメージがあれば教えて下さい。

     

    本書には240の色名と500近くの配色イメージワードがありますので、言葉から連想する色と配色のアイデアを得ることができると思います。

    色のアイデアは、本書にある色名と色見本が役立ちます。例えば、クライアントからの要望や制作現場での意向で、20代の若い女性が好む華やかな色を使いたい場合、「華やかな若い女性」を表現する色名(例:ルージュレッド、スプリングピンク、ペリドットグリーン、リビングコーラル、チェリーレッドなど)と色見本が参考になると思います。

     

     

    配色のアイデアには、本書にあるイメージワードが役立ちます。例えば、「都会的でスタイリッシュな」配色にしたい場合、「ファッショナブル・モダン・スマート・かっこいい」などのイメージワードから展開された配色が参考になると思います。

     

    配色に関しては絶対的なルールはありませんが、配色のイメージは選んだ色の組み合わせで決まってしまいます。本書のバリエーションに富んだ配色を活用していただければ、メッセージの強弱はありますが、表現したい目的のイメージが明確に分かり、求めている配色が実現することができると思います。

     

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