『ブラックライトでさがせ!深海の不思議な生きもの』おしえて!えのすいトリーターさん 第2回 くねくね王国に登場する深海ナマコは、浅い海のナマコと何がちがうの?
深海の生きものたちって本当に不思議!
このページでは生物監修をお願いした、新江ノ島水族館のえのすいトリーターさんたちに、びっくりするような生物の生態や、深海についての知識を教えてもらいます
えのすいトリーター
杉村 誠(すぎむらまこと)さん
プロフィール
深海生物が大好き。
公開のむずかしい深海生物の生きている姿をご紹介できるように毎日頑張っています!
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くねくね王国にはいろんなナマコが出てくるけど、深海のナマコは浅い海にいるナマコとは違って、いろんな姿をしているんですね。 |
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深海のナマコは海底にじっとしているだけでなく、「くねくね王国」に登場するユメナマコのように、ゆったりと泳いだり、からだが透明だったり、からだを光らせる種類もいるんです。ユメナマコもそうですが、「くねくね王国」の下の方に描かれているハゲナマコは、刺激を受けるとイルミネーションのように、全身が青白く点滅するんです。 ハゲナマコ ハゲナマコ(発光) 2017年に公開されたハゲナマコ属の一種の動画はこちら |
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わー!クリスマスツリーみたい! |
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このハゲナマコが現在※えのすいで飼育公開中なんです。以前は、「ヒメカンテンナマコ」を公開したこともあるんですよ。 |
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深海のナマコは、どうやってえのすいにやってくるんですか? |
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公開中のハゲナマコは、今年8月に行われた、JAMSTEC主催の「ハガキにかこう海洋の夢コンテスト」入賞者乗船体験にて、岩手県の宮古沖 水深 500m付近で採集されたんですよ。このコンテストは、JAMSTECが全国の小学生たちを対象に開催しているコンテストで、入賞者は深海調査研究船に乗船して、深海調査が体験できるんですよ。 |
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子どもでも、深海調査研究船に乗船できるんですね! |
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今年も「海洋の夢コンテスト」の作品募集が行われます。この入賞者体験乗船では、ユメナマコがみられたときもあるんですよ。
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わーとってもきれい!ナマコのすんでいるまわりには何もなかったけれど、深海のナマコたちは何を食べるんですか? |
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ナマコのなかまは海底の泥(堆積物)を食べるんです。泥の中にふくまれる「有機物」を栄養にしているんです。そして、おしりからは、有機物の少なくなった泥を排泄しています。 |
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ナマコのうんちは、きれいになった泥なんですね! |
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そうなんです!泥がきれいになるという事は、深海の泥にふくまれている有機物が少なるという事なんですよ。だから、ナマコたちは深海の「そうじ屋さん」と呼ばれるんですよ。 |
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ただ歩いているだけかと思ったら、深海をおそうじしていたなんて!ナマコってすごいんですね! |
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深海のナマコたちについては、まだまだ分からないことが、たくさんあります。現在、「ハゲナマコ」を新江ノ島水族館の「深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~」で公開中です。普段見ることのできない貴重な生きた姿をぜひ観察してみてください。 |
えのすいで開催予定の深海イベントはこちら↓
・12/14 JAMSTEC×なぎさの体験学習館
深海トーク ~今年、出会った深海生物~
・12/28 「しんかい2000」 公開整備
注・本情報は取材時の情報です。「ハゲナマコ」の公開が終わっている場合もありますので、ご注意ください。最新の情報はえのすいHPをご確認ください。
取材:2019年12月10日