＃今月の本屋さん　ニジノ絵本屋（東京・目黒区）

今回は出版社でもあり、ギャラリーやライブイベントなど幅広く活動する本屋さん、ニジノ絵本屋さんを紹介します。ニジノ絵本屋さんの最寄り駅は東急東横線「都立大学駅」です。駅名の由来となった都立大学は30年以上前に八王子に移転しましたが、今もその名が使われています。駅から徒歩3分ほどでお店に着きました。

お店に入ると正面には『からすのパンやさん』や『こんとあき』など見慣れた名作絵本が並んでいます。

左側の壁面には比較的最近に出版された絵本が並んでいます。写真左に『すきやき』（はらぺこめがね作）という題字のお肉の表紙の絵本が目をひきます。こちらはニジノ絵本屋さんが出版した絵本です。焼き豆腐が銀河鉄道のように宇宙を進み、生卵が隕石のように鍋に投入され、すき焼き鍋を構成していく様子をとんでもなくリアルな筆致で描く、楽しい絵本です。

中央には柴田ケイコさんの『めがねこ』（手紙社刊）シリーズが並んでいます。表紙を開いてみると、中には柴田さんの手描きのイラストと共に、柴田さんからニジノ絵本屋さんへの素敵なメッセージが書かれていました。ぜひお店で見てみてください。

こちらもニジノ絵本屋さんが出版した絵本です。『OPEN』（ザ・ワースレス作 かげやま しゅん絵）は、いろいろな絵本をモチーフにオリジナルの歌を作詞・作曲し、絵本と一緒に音楽も楽しめてしまう斬新な絵本です。さきほどの『すきやき』や、tupera tuperaさんの『やさいさん』（学研刊）など計6冊の絵本に歌をつけています。歌は絵本のQRコードからWeb上の音源を聴くことができます。どの曲もとっても明るくて楽しい気分にさせてくれますよ。

向かい側の壁面はギャラリースペースになっていて、額装された絵が飾られています。いぬいさえこさんの『きみのことがだいすき』（パイ インターナショナル刊）の絵本展を開催中なのです（2022年12月26日まで開催）。

こちらはキャンバスアート。かわいい！

クリスマス仕様の絵本や、ポストカード、一筆箋なども並んでいます。『ふたりは ともだち』のお隣に、『きみのことが だいすき』が並んでいるのが素敵です。絵本展目当てにいらっしゃるお客様や、ご近所の親子連れのお客様がいらしていました。

こちらは土日にお店番をされていることの多い黒木さんです。黒木さんおすすめの本を伺ったところ、手にされている『ニジノ絵本屋さんの本』（いしいあや文 小林由季イラスト 西日本出版社刊）を紹介くださいました。

この本はニジノ絵本屋を始めた、いしいあやさん自身が書かれた「絵本屋ふんとうき」（オビ文より）です。本屋さんでも出版社でもなかったいしいさんが、ひょんなことから、たった1.5坪の絵本屋さんを始めることを思いつくところから始まり、絵本づくりや絵本の届け方、ギャラリーや絵本ライブなど、絵本を起点に活動が次々と広がっていく様子が詳しく楽しく描かれています。

私も個人的にいしいさんがBOOK MARKETやボローニャ・ブックフェアなどあらゆる場所で、（勝手に）心配になるくらいめまぐるしく活動されているのを目にしていました。きっと大変なことも多々あるのだと思いますが、いつも本当に楽しそうで、その一生懸命なところに周りの人たちはいしいさんを応援したい！という気持ちになってしまうのでした。きっとこの本もそうして生まれたのではないかと思います。ぜひ『ニジノ絵本屋さんの本』を手にとってみてください。

その他にもクリスマスやこれからの寒い季節にぴったりの絵本もたくさん並んでいます。絵本は主にいしいさんが「かわいい！」と思った本を選んでいるそうです。ぜひニジノ絵本屋さんに足を運んでみてください。

ニジノ絵本屋公式サイト：http://nijinoehonya.shop/

（文・写真：PIE三芳寛要　撮影日：2022/12/3）

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